日本向けロボットEV貨物船を共同開発し連続建造へ

海洋新価値創出プロデューサー集団「THUNDERBIRDS」、中国の次世代造船所「三点水新能源科技」と戦略的業務提携を締結

〜日本の内航海運が抱える解決困難な《船員不足と船舶高齢化》を抜本的に解決するための、ロボットEV貨物船を共同で開発、圧倒的な性能と価格で日本の内航海運に新しい選択肢を提供〜

目次

戦略的業務提携の背景

四方を海で囲まれた海洋国家日本。

その日本の物流を支える内航海運は、日本の多くの産業と同様に少子高齢化による船員不足や低すぎる労働生産性、そして環境対応というこれまでにない解決困難な課題に直面しているなか、国も業界も有効かつ抜本的な解決策を示せていません。

THUNDERBIRDSは、世界に先駆けて電動化・知能化・標準化された内航船の開発と普及を国を挙げて強力に推進する中国において、電動化・知能化・標準化された次世代内航船建造のフロントランナーである三点水新能源科技との戦略的業務提携によって、日本の内航市場向けに船員を徹底的に楽にするロボットEV貨物船を廉価で量産し大量に提供することで、日本の荷主・オペ・船主・船員の期待に応え、内航業界が抱える解決困難な課題を抜本的に解決することを目指します。

さらに、ロボットEV船をコアとした次世代の内航産業アーキテクチャ(内航インフラ)を再デザインすることで、内航海運を持続的に成長させ、内航産業の生産性と魅力を向上させていきます。

なお、本プロジェクトは日本の荷主、オペ、造船所および舶用機器メーカーと緊密に連携しながら推進し、日本での安全で安定的な運用のために主要システム(エンジニアリング、スマートコックピット、パワートレイン、荷役システム)は日本企業製を採用します。

ロボットEV船とは?

ロボットEV船は、電動化・自動化・知能化技術を統合した船舶のこと指します。船そのものがロボットになることで、船が人を助けてくれることにより、人手不足解消、安全性・効率性向上、燃料費の削減、エネルギー効率の向上、CO2排出の削減など、人にも環境にもお財布にも優しい船になります。

ロボット技術の導入は、船舶の遠隔支援や自動化支援を可能とし、以下のような技術が搭載されます。

1.自動化システム

自動離着桟や自動航行などの機能を持ち、船員の操作負担を減らし、安全性を向上させることで、少人数の船員、経験の少ない船員でも船を安全で効率的に操船可能とします。

2.遠隔支援技術

陸上の制御センターから船舶を支援することが可能で、船員の負担軽減や安全性を向上させ、船員の省人化・省スキル化を容易とします。

3.統合EVパワートレイン

標準化・モジュール化された統合EVパワートレイン(電動機・インバーター・蓄電池・発電機・給電設備・EMSを一体化したもの)

4.統合スマートコックピット

標準化・モジュール化された統合スマートコックピット(操船制御・航海計器・デジタルプラットフォームを一体化したもの)

5.AIと機械学習

完全に電動化された船舶は運航データを容易に取得することを可能とし、標準化されたフリートからのマスデータを解析することで、安全で効率的な航海計画作成や予防保守などによって、これまでと別次元の安全性と効率性を実現し、同時にコスト削減へと繋げます。

ロボットEV船の導入により、内航業界では以下のようなメリットが期待されます。

人手不足の解消

電動化、遠隔支援、自動運航により、船員だけでなく陸上のオペレーター、工務監督の不足解消するだけでなく、生産性を上げることで報酬アップに繋げ、採用拡大へと繋げる。

安全性の向上

自動化・標準化・陸上支援によるヒューマンエラーの削減と緊急時の迅速な対応。

安定性の向上

船員不足や収益性の低さといった業界課題が解決されることにより、内航物流にとって必要な隻数の船を安定的に運航することを実現。

効率的な運航

エネルギー効率の良い電動化と知能化による効率的な運航管理の実現。

経済性の向上

船員の省人化・省スキル化による若年船員配乗によるコスト削減、電動化および予防保守によるメンテ費削減、燃料消費削減による運航費削減、リセールバリュー向上によって、船主及びオペの経済性向上を実現。

環境負荷の軽減

バッテリーだけでなく発電機を搭載したハイブリッド構成のため、顧客や業界のニーズや法規制に応じて、最大で100%のエミッション削減を実現。

ロボットEV船のコアとなる《3つの標準化》

本提携によって解決される課題と新しい価値

1.本提携によって解決される業界課題

船員課題

『誰でも動かせる船』とすることをテーマに、電動化・知能化・自動化・遠隔化されることで、経験の浅い船員でも、また少ない船員数でも、これまで以上の安全性と効率性を確保できる船とすることで、船員の生産性を大幅に向上させ、さらに船主の船員採用リスクを削減します。

乗る船員を選ばず、むしろ船員に選ばれる、船主にとっての武器となる船を提供します。

船員の生産性向上は、船員の所得向上に直結します。

標準化と量産化によってもたらされる低廉なCAPEX(船価)と、電動化と知能化によってもたらされる低廉なOPEX(含む燃料代)によって、船主・オペ・荷主の経済性向上に寄与します。

経済課題

既存船と同じ仕様であれば、3割安く。既存船と同じ値段であればロボットEV船が提供できるような魅力のある経済性実現を目指します。

また、船員の省人化・省スキル化、メンテ費用の削減、燃料消費削減、リセールバリュー向上によって船主・オペ・荷主の経済性向上を実現します。

環境課題

電動化(ハイブリッドEV)と知能化によって、消費エネルギーの削減と、GHGを含めたあらゆるエミッションの低排出から無排出(ゼロエミッション)を実現します。

2.本提携によって新たに創出される価値

内航の産業アーキテクチャ(次世代内航インフラ)の再デザイン

標準化された次世代ロボットEV船をコアとして、下図1のように内航の産業アーキテクチャ自体を再デザインすることで、『業界課題解決』だけでなく、『業界の持続的成長(=儲かる)』産業へと変革させます。

新陳代謝促進と大規模プレーヤーへの収斂加速

内航業界の課題解決を困難にしている背景の一つは、長期間に渡って保護されてきた産業のため、一部を除いて極めて生産性の低いプレーヤーが多数温存(下図2)されている点が挙げられる。

今回のチャレンジによって、船そのもの標準化はもちろん、下図3に示すように設計段階から船舶の保有・管理・配乗を完全に分離することを盛り込んでおくことで、内航業界のあらゆるレイヤにおいて新陳代謝を促し大規模プレーヤーへの収斂を加速することで、更なる生産性向上と大規模投資促進によって、業界の競争力向上と持続的成長へと繋げていきます。

図1:『業界課題解決』と『持続的成長』を実現させるための次世代の内航産業アーキテクチャ
図2:標準化ロボットEV船と次世代の内航産業アーキテクチャで新陳代謝と収斂を引き起こす
図3:新陳代謝と大規模プレーヤーへの収斂トリガーとなる保有・管理・配乗の分離

本提携の対象

1.対象船舶

業界からの強い要望がある、499GTおよび749GTのタンカー、一般貨物船、コンテナ船を対象とします。

2.連携の拡大

本取り組みによって提供される次世代ロボットEV船とインフラを必要とする荷主、オペ、船主との緊密な連携はもちろん、プレーヤー収斂によってビジネスチャンス拡大が期待できる国内造船所および国内舶用機器メーカーとも緊密に連携を進めて参ります。

3.対象市場

かつては、10年程度でリプレース→海外転売されていた内航船ですが、船価上昇による船主の経済性悪化によって、喫緊では20〜25年程度の長期に渡って使い続けざるを得ない状況に陥っています。高齢化した船舶を使い続けることは、結果としてトラブル防止・トラブル対応のために優秀で経験豊富な船員の配乗を必要とし、人手不足をより悪化させています。

本取り組みの一環として、船を7〜10年でリプレース→海外転売できるためのロボットEV船の海外市場を関係者と共に開拓します。リプレース頻度、すなわち新造内航船の建造需要を現状の3〜4倍程度まで引き上げることで、中国建造船だけでなく国内建造のニーズ拡大へと繋げます。

今後の予定

上図のように3つの段階で進めて参ります。

喫緊では、第一弾として8〜9月のタイミングで三点水上層部の来日を予定しています。

目的は、本提携に興味を持つ荷主、オペ、船主、造船所、舶用機器メーカーへの説明と要望を聞くことにあります。三点水上層部に加えて、中国大使館、中国商務省の同行も計画しており、日中合作の成功事例とするべく、関連行政機関への説明や懇親などもこれから申し入れて参ります。

また、すでに日本のパートナー企業から中国造船所への訪問依頼が来ており、希望するパートナーを連れて現地視察を計画しています。

第二段階においては、パイロットとしての第一号案件(499GT)を早急に決めていきます。

並行して、日本での国内建造に向けた国内造船所との提携と建造へと進めて参ります。

三点水新能源科技有限公司について

会社名三点水新能源科技(安徽)有限公司
設立2023年10月
代表者郑天保
住所安徽省芜湖市弋江区芜湖高新技术产业开发区花津南路226号B座三楼
事業内容・標準化された次世代ゼロエミッション知能化内航船の企画・開発・建造
・交換式バッテリーシステムの開発、製造、運用
・交換式バッテリーステーションの開発および運用
・次世代の小型EV船やプラットフォームの企画・開発・建造
・CO2排出の可視化・回収・販売
・その他

THUNDERBIRDS株式会社について

会社名THUNDERBIRDS株式会社(THUNDERBIRDS.Inc.)
設立2024年4月
代表者末次康将
住所東京都中央区八重洲2-1-1
事業内容・海洋 x ゼロエミEVモビリティ x Xのコンテンツ創出
・ゼロエミEVモビリティを使ったサービス事業
・ゼロエミEVモビリティの建造、販売、仲介、リース
・海洋価値創出コンサルティング事業
・海洋・港湾CO2削減事業
・その他上記に関連する事業

THUNDERBIRDS CEO 末次康将 一問一答

中国造船所との提携についてネガティブな反応などはあるか?

率直に申して、一部の特定の方々は非常にネガティブな反応をしている。物事の表層しか捉えられない理解力の無い人間に限ってステレオ的な反応をするため、リトマス試験紙のようで面白い。

我々は徹底的に顧客第一主義だ。顧客が抱えている課題(=業界課題)を本協業によって提供される次世代のロボットEV船とそのエコシステムによって解決していく。

ネガティブな意見がある一方で、我々の顧客筋や懇意先からは歓迎や待望の声が出ている点は明確に申し上げておきたい。我々にとってはその声こそがチャレンジの源となる。 仮に、このような取り組みに対して関連行政機関が妨害したり潰すようなことがあってはならないと思っている。もしそのようなことがあれば、我々は丁寧に説明を行った上で、それでも理解していただけないようであれば相手がだれであろうと断固戦うつもりだ。

新陳代謝とプレーヤーの収斂によって潰れる会社もでるのではないか?

もちろん出るだろう。ただし、この新陳代謝を止めてはならないと思っている。

10年前であれば会社が潰れるのは社会的にもNGだった。今は船員も造船所も超人手不足だ。潰れるような会社は生産性も低く経営も昭和マインドであり、そこで働く船員や従業員こそ不幸だ。その船員や従業員は収斂する側にとっては垂涎のリソースであり、収斂会社に吸収された方が給与も待遇も確実に上がるだろう。これは日本の他の産業では当たり前に起きており、業界の健全化のためには必要なステップだとも言えるだろう。繰り返すが、健全な新陳代謝は止めるべきではない。

一方で、日本には極めて高い労働生産性を持ち、素晴らしい経営者に率いられた内航造船所、内航船主、そしてグローバルでも高い競争力を持つ舶用機器メーカーがいる。それぞれのレイヤーにおいて、そういった企業に事業や労働者が健全に集約されることを期待している。

そもそも、造船の歴史を振り返った時、1950~1980年代にかけて日本の造船所によって欧州の造船所は焼け野原になった。ただ、欧州の造船所は焼け野原の中から特定の船種やビジネスモデルにおいてとんでもなく強い企業の創出が促され、また、造船からピボットをかけた巨大コングロマリット舶用機器メーカーなども誕生した。

日本においても、こういった新しいプレーヤーの参入や新しい価値の導入という機会を、むしろしたたかに活用していくべきだろう。

近代において日本が抜本的に社会変革を起こせたタイミングは2回だけだ。

1つは第二次大戦で、これは完全に焼け野原になった。内航造船を守り続けることは、数年後か10年後くらいに海外と大きな差が開き、そのときになって建造も中身も完全に海外製の船が入ってきたら、保護され続けて競争力を失った内航造船は完全に焼け野原になる。

もう一つは明治維新で、これは黒船としたたかに組むことで、痛みを伴いながらも大きな変革を実現し、現在の日本の繁栄へと繋がっている。

内航造船にとってどちらの変革がチャンスなのか?我々は後者の明治維新モデルだと思っている。

なぜこのようなチャレンジをするのか

業界の不便・不合理・非効率に対して、徹底的にチャレンジし、根底から解決するためだ。

例として、タンカー業界が取り組んでいる二層甲板解禁に向けた取り組みを挙げる。二層甲板はタンカー以外の船では認められているが、タンカーで認められば使えるトン数を大幅に増やすことができ、増加したトン数を船員の居住区の改善や部屋数の増加、荷役監視室の追加などに充てることで、船員課題解決において大きなインパクトがある。それにも関わらず、一部の自分の都合しか考えない視野の狭い人たちが「自分の船が陳腐化するから」という理由で反対をする。業界団体がいくら頑張っても、そういった人たちに足を引っ張られるような不合理な業界だ。そのような業界に大きな石を投げ込み、同じように「おかしいだろ」と思う人たちの心に火をつけ炎上させることで、この不便・不合理・非効率極まりない業界において、共にチャレンジをする仲間を増やしていく。

我々のチャレンジに対するネガティブキャンペーンは確実に起こるだろう。むしろ、どんどんネガキャンを張って欲しい。

THUNDERBIRDSはしがらみも失うものも何も無い会社で、むしろ自分だけ良ければ良いという業界の抵抗勢力と徹底的に戦うことを目的にゼロから作った組織でもある。

抵抗されればされるほど、炎上すればするほど、狭い業界内だけでなく否が応でも他業界からも耳目を集めることとなる。仮に我々のチャレンジを妨害されたり潰されたりするようなことがあれば、海運や内航業界でチャレンジをしようとするような人間はこの先出ることはないだろう。 そして、我々チャレンジが成功すれば、その成功を見て「自分もチャレンジしたい」という人間が集まり、海運や内航業界のイノベーションは加速されると信じている。

そもそもTHUNDERBIRDS(https://thunderbirds.world/)とは?

先に、明治維新モデルで業界変革を起こしたいと申し上げたが、THUNDERBIRDSは明治維新における海援隊のような役割を果たしていきたい。

有名な某人形劇のパクリか?と聞かれるが、パクってはいないがオマージュはしている。

我々のチャレンジに際して誰からの影響も受けなくてすむように、100%個人資本の会社としている。心ある素晴らしい個人や企業から、力強いご支援はいただいているものの、誰の影響も受けずに済む点は、今回のような業界に波紋を生むようなチャレンジをする際には大きなメリットとなる。

メンバー(=隊員)は、コアメンバーと支援メンバーに分類され、コアメンバーは実際に手足を動かして活動の主体となる人間で、本日時点で7名。支援メンバーは手足を動かすことはないが、有形無形の支援をいただいており、本日時点で5名だ。日本の他に中国にも事務所を設立しており、近々、タイとシンガポールにも設立を予定している。

内航や海運業界だけでなく、業界・国籍・官民の隔たり無しに、現状を憂い新しい時代を自ら切り拓きたいという志を持つ隊員が集まってきており、これまでのベンチャー企業とは全く性質の異なる組織になってきている。

まさに、海援隊にさまざまな立場の志ある志士たちが集まり、さらにその活動を応援する幕閣や有力大名が支援をした状態に近づいてきているのが面白い。

THUNDERBIRDSは、海洋とその周辺領域の抱える課題、不便・不合理・非効率をターゲットとして、志を共にする仲間やパートナー企業と共に挑戦する。

多くの課題の根本原因は人手不足、低い労働生産性、低い業界の魅力(収益の低さ)に起因しており、そういった課題をパッチ当てで解決するのではなく、日本が体験したことのない人口減少局面という未知の領域において、人口減少社会と共存するための次世代エコシステムを創ることで、それぞれの産業や業界が抱えている解決困難な課題を根本から解決することを目指している。

THUNDERBIRDSはその次世代エコシステムを創るための総合プロデューサーであり、映画でもプロデューサーが一番重要であるように、新しい産業や価値を再定義するためには、我々のようなプロデューサーが必要だということをもっと広く理解してもらいたいと思っている。

足元では、具体的に以下のような対象に取り組んでいる。

(ア)海洋コンテンツ創出事業

(イ)港湾内作業モビリティの電動化・自動化・知能化

(ウ)港湾周辺のエネルギーインフラの創出・最適化支援事業

(イ)港湾内作業モビリティの電動化・自動化・知能化
(ウ)港湾周辺の次世代エネルギーインフラ創出・最適化ソリューションの提供

『海洋業界でダントツのクレイジー集団になる!!!』

わたしたちTHUNDERBIRDSは、既存の常識やしがらみに囚われず、自らリスクを取って挑戦し、独自の価値、サービス、事業を提供することで、海洋とその周辺領域をもっと面白く、そしてもっと魅力的に変革していきます。

THUNDERBIRDSの挑戦はわたしたちだけでは成し得ません。

わたしたちTHUNDERBIRDSが、海洋を切り拓く旗振り役となり、海洋に変革を起こすために必要な技術・知恵・資金・場そしてパッションを持つメンバーと共に挑戦してまいります。

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